世帯をつなぐ間
これは、二世帯の建築である。
二世帯の住まいでは、世帯間の程よい距離感や動線、また設備の共有範囲などが一般的な課題ではある。
子が親と、また親が子と住まうタイミングでは、やはり三世代目の誕生や介護を要した際が一般的だろうか。
また両世帯が、ひとつ屋根で暮らす利点があるすれば、自立出来る両者にとっては勝手に世帯間を行き来する孫は、世帯を繋ぐ特異な存在であろう。
建築では、写真で見えるような広縁や和室を共有空間と思考している結果でしかないが、孫の行き来は、その存在以上にパワフルなものないと思える。
まさに世帯間の連絡係であり、立役者。
建築では、両者が求めるタイミングが一番に空間を正当化してくれるのだと思う。
「スープの冷めない距離」という言葉があるが、そもそも冷める時間など無いほうが良い。建築は、ただの器でしかないが、結びついた空間ほど幸せなものは無いだろう。
建築場所 | 静岡県 |
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用 途 | 専用住宅 |
構造規模 | 木造2階建 |
敷地面積 | 784.31m² |
建築面積 | 251.04m² |
延床面積 | 253.94m² |
設計監理担当:大矢雅祥、中村幸浩(旧所員)