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小さな美術館

emagallery
数十年前に区画整理された地域であり、住宅のほかに、コンビニエンスストア、診療所、薬局、銀行など、生活に必要な店舗が点在する地域である。
このような環境において、喫茶とギャラリーの設計から運営まで携わる事となった。
私たちが最初に考えたのは住宅街にギャラリーと喫茶がどのように建てばいいのか。私たちの答えは、奇抜な形で集客をメインに考えた箱の建築よりも地域の歩調に合った、日常に寄り添うような建築こそ、この場所にあるべき姿と考えた。
まず一つに、建築の「ボリューム」について敷地周辺地域に対してのバランスを考え、喫茶とギャラリーを分棟の配置計画とした上で住宅に近い大きさとした。
次に「様相」を考える。家型が二つ並ぶような立面とし、二棟の間に緑豊かな隙間を設ける事で、より自然に住宅地に馴染むような佇まいとした。塀で囲って完結した空間を作るのは簡単だがあくまでも地域に開き、歩調を合わせる建築とした。そして最後に「人」や「つながり」これらは地域で商いをするにあたり大きな意味を持つ。
たった一杯の珈琲を飲みに行くだけでも庭の向こうにギャラリーがあり、思わぬ出会いがある。それらがこの場に訪れる価値となっていく。
私たちは物理的な環境だけでなく施主・周辺住民・訪れる人々をはじめとした様々な気持ちも環境と捉える。それらを置き去りにはせず、ひとつずつ対話して
設計することを心掛けた。

静岡県藤枝市前島2-29-10-1

建築場所 静岡県藤枝市
用  途 喫茶店+ギャラリー
構造規模 木造平屋

設計監理担当:大矢雅祥


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