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器とつなぐ縁

料理や洗濯、家事にまつわる機能的な要望から始まった当設計だが、施主との対話を繰り返すうちに、最終的には家事の周縁にある様々な愉しみを発見できる家へと変わっていった。料理を趣味とする奥様こだわりのキッチン(台所と呼んでいる)は近隣の公園に集まる友人・知人と一緒になって作業ができる居場所となり、元々は物干し動線として計画されたリビングのキャットウォークは庭や公園などの外部との柔らかい関わりを生み出す場となった。施主家族が大切にしている器のように、本来の機能性の周縁にある愉しみをどんどん見出してほしいと願う。竣工前の現場にて、ベランダではハーブを育て、秋には軒先に干し柿を垂らすと話していた。これからもこの住宅で様々に生まれていく縁を楽しんでほしいものである。

建築場所 静岡県
用  途 専用住宅
構造規模 木造2階建
写真撮影 スタジオメロス

設計担当:大倉健、大矢雅祥


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