平屋と佇む
住まいを持とうとされるタイミングは、人それぞれ。
家族が出来、守るものが出来たときや、退職を期に終の棲家を求めたりと様々なであるが、建設の期として持とうと思ったときが最善と言える。
この家のクライアントは、自身の会社の最前線から少し距離を置ける期を増やす中で、今までお世話になった方々を自宅に招くことを目的とされた。
その為、終の棲家となる家には、露天風呂を持つゲスト空間を設けている。
南側の桜並木に沿うように生活空間を配し、南と北と二分するような配置で、ゲストの空間を設けている。ゲストルームには、生活空間と分離されたエリアとし、ゲストの寝室と露天風呂を対の空間になるように計画した。また庭と一体になった露天風呂には、地下水を汲み上げた池でメダカを飼育し小さなビオトープを生み出している。
また防災住宅を目指した計画で、停電及び断水時でもガス発電設備と地下水利用により、自宅が避難所にもなるよう計画されている。
静かにそこに佇み、想いに耽る。
建築のあるべき姿は、建主に寄り添うことだと感じる機会となった。
建築場所 | 静岡県 |
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用 途 | 専用住宅 |
構造規模 | 木造平屋 |
写真撮影 | スタジオメロス |
設計担当:大矢雅祥、中村静香